2008年12月19日金曜日

戯れ言No.002

まだこの場所にいたい
理由が言葉となって出てこない
言葉は音となって出てこない

この場所が好き
ううん、そんなたいしたことじゃない
それでもこの場所にいたい
まだこの場所にいたい

ずっといられる訳じゃないって言うのはわかっている
今すぐにでも旅立たなければいけないって言うのは知っている
それでも僕はこの場所にいたい
この場所は僕にとって掛け替えのない場所だから

それでも僕はいつかこの場所から旅立つ
だから、それまではこの場所にいたい

2008年12月15日月曜日

戯れ言No.001

なんでもないことを当たり前のように感じていたい
当たり前だと思えることを幸せなんだと思いたい
僕は明日も今日を生きるから
このままずっと感じていたい

僕のわがままを信じることは出来ないけど
僕の心を信じることは出来るから

いつまでもいつまでも今日を生きていきたい
いつか終わるその日まで僕は生きていきたい

2008年12月10日水曜日

満月の前に逢いましょう

満月の夜は明るすぎる
満月の後は寂しすぎる

満月の前に逢いましょう
逢って話すことは1つだけ

次の逢瀬の口約束
それだけの約束の日

満月の前に逢いましょう
満月の夜は帰りましょう
満月の後はすれ違うから

2008年9月21日日曜日

天球の水面

空に浮かぶ小さな星のどれもに映る水面の記録
まるで合わせ鏡のように
まるで伝言ゲームのように

水面に映った己には決して触れられない
水面に映った世界には知らないものが写りこむ
水面の向こうの世界には決して触れてはならない

それは天球に広がる未知なる世界
天球の水面にだけ写る世界

2008年8月4日月曜日

ふるかぜ

ある日そこに風が吹いた
古い古い弱い風
懐かしい香りを伴った微かな風
はるか遠方よりの使者は
はるか彼方の香りを運ぶ

古い古い風はそこで留まりそこで霧散する
新しい風はそこよりうまれてそこから飛び立つ
風のうまれる場所は風の消える場所
風の消える場所は運んだ香りの届け先

古き風は新しき風へ道を譲れ
新しき風は古き風より空を知れ
風はそうして巡っていく
風はそうして流れて行く
止まることのないただの風
とどまることのない風の鼓動

2008年7月8日火曜日

大切な記憶と不確かな真実

それは不確かな出来事
それは大切な思い出
それは思い出せない記憶
それは忘れられない事柄
それは記憶の中の真実
それは真実在りし記憶
それは記憶をたどる真実
それは真実をたどる記憶
それは記憶の中の真実
それは真実を知る記憶

不確かなまでに大切な記憶
不自然なまでに正しい真実

2008年6月30日月曜日

空に落ちる流れ星

空の空へ空に向かって落ちていく
雲を雲へ雲に向かって落ちていく
流れ星がまたひとつ
空の彼方へ吸い込まれる
丘の向こうから空に向かってずっと落ちていく

雲を突き抜けて落ちていく
空はまだない
今落ちた星が空を作っている

空の向こうでまた逢おう
落ちていく星の
その流星に乗って

2008年6月23日月曜日

星の降る丘

丘の向こうに星が降る
夏のこの頃毎晩毎晩
空から降った星は丘の上で弾けながら散っていく
そのたびに丘はまばゆい光で包まれる
まるでそこにだけ朝が訪れたみたいに

翌日覗くとそこには小さな星のかけらが残されている
散った星の分だけ降った星の数以上の星のかけら
そうしてその丘は年中光で満ちている

2008年6月16日月曜日

死の夢

夢を見た
なんことはない、いつもの夢だった
ただ一点を己の視点でじっと見続ける
そんな夢だった

よく見る夢だった
いつから見るようになったのかはまったく覚えていない
ずっと昔から見ていたような気がする
ほんの最近見るようになった気もする

いつもその夢は中途半端だった
いつもその夢は繰り返していた
そしていつも終わることがなかった

そんな夢が最近ほんの少しだけ先に進んでいた
気づいたのはほんの些細なことだった
ずっと見ている風景の中で小さな花が咲いていた
元々つぼみだったその花は咲いた後も気づかないほど小さかった

夢は元々灰色だった
なにも色がなかったのはなんにも気にしていなかったからなのかもしれない
なにも変わらないと思っていたその風景に花が生まれた
そんな些細なことが夢に色を与えていった

初めは花の周りが褐色になっただけだった
それから色づいた風景はどんどんと広がり
気づいたときには夢に赤色が青色が黄色が増えていった

そして気づくのに遅れてしまった
夢はその花が咲いたところからゆっくりと無くなっていた
気づかないうちにずっとそれは広がりすでに半分が無くなった
全ての色が無くなったときどうなってしまうのかはわからない
だけど恐らく死を告げる夢なんだろうと思っている

確たる根拠じゃない単なる予感
それでも思ってしまうのは自信

あの中心に咲く花
あれが咲ききったとき
最後の時が訪れるのだろう

2008年6月8日日曜日

いちページの切符

開く、分厚い本の一ページをめくるみたいに
新しい世界の扉を開こう

出かけよう、僕たちの小さな夢は
どこまでもどこまでも続いていく
ずっと先の、その向こうまでも超えて
ずっとずっとどこまでも行こう

先に進むための一歩を踏む前に
そのページに手を掛けよう
開いたページは世界の扉
開いた先には風の世界
羽ばたく羽を支えてくれる

分厚い本のいちページ
扉は世界を広げてくれる
羽ばたく翼は羽を広げ
広げた翼で世界を巡る
巡った世界の続きはいちぺーじ
新しい世界の扉の向こう

違う世界の向こうに続く
終わりのない世界の物語
ずっと続く世界の旅路
ずっと続く彼方への
果てなき旅へのつきない切符

2008年6月1日日曜日

そんなこと思えなかった、本当の気持ち

会いたいなんて思わない思えない
今日という日にはさよならもうない
なんてことを繰り返す僕の目には誰もいない
気付いたときはもう、こぼれ落ちていた
足元を見る気なんてなかった起きなかった
いつの間にか、大人になっていつの間にか、時が過ぎていた

大変大変、何が大変
焦って焦った、何をそんなにあわててるの
君がいない、となりにいない
君がいない、どこにもいない

今すぐにでも会いたいよ
道を別れた今こそそう思う
今更気付いた大切なこと
『君が好き』
そんな簡単なこと

今すぐにでも会いたいよ
君がいない今こそそう思う
今更気付いた大切なこと
『君に会いたいよ』
そんな単純なこと

逢いたいだけで会える関係じゃない
そんな日々はとっくに過ぎ去っていた
僕らはあの時からどれぐらいの時間を歩いているんだろう
大切なことは何一つ伝えていない
ずっと意固地に嘘を重ねていた
君を好きって感情もなくせると思っていた

気が付いた時にはもう遅かった
どうしようもないぐらい惹かれている私がいた
会いたいでもそれだけじゃ足りない
逢いたいでもそれだけじゃない

セツナイよ、苦しいよ
あなたがすぐにも欲しくて堪らない
遠くから少しでも、振り向いてよ
『君に好き』
そう言いたいんだけど

今すぐにでも言いたいよ
君に向かって今だから言いたい
今頃気づいた単純なこと
『君を好きだった』
忘れられなかったこと

2008年5月26日月曜日

彼方の旅支度

最期の時がやってくる
足音を忍ばせつつやってくる
気がついた時にはもう遅い
そこに僕はもういない

そんなに身体を揺らさないでくれ
そんなに胸を濡らさないでくれ
僕の意識はもうソコにはないから
月並みな言葉しか思い付かない
気休め程度の笑顔しか浮かべられない
でも、気付いてほしい
僕が笑っていることを
僕が投げ掛けたたった一言を
『ありがとう』
君の頬を伝った涙は僕がそっと持ち去ろう
君が悲しみに暮れないように
僕は僕を連れ出して、旅に出よう

君は君の旅に出る
その日はいつかやってくるだろう
気付いたときには旅立ちの時
僕はキミを見送ろう
だから僕は先に行くよ
長い旅路のどこかでまた逢うこともあるだろう
永い旅の向こう側でまた巡り会えますように
だから笑って欲しい
もう時間は過ぎている
『さようなら』
僕の胸に落ちた君の吐息はそっと君に返そう
僕のいた証として
君と一緒に居たかった

あいまい

あいまいすぎる君の態度
あいまいなままでよかった
ずっと前から気付いていた
あの頃に感じていた
気付かないまま過ぎ去った
小さいけど確かな気持ち
今更気付いてしまった
淡いなんて一言で、片付けないで
もう戻れない――

あいまいな時間を追っていく
ずっとずっと走っていく
もう決して追いつくことができない
時間の中に消えていく

あのときの柔らかな時間の中で
確かだった記憶が残る
確実なものなんて何もなかったあの頃に
一言だけ置いてきた言葉を探した
大切なものも全てあいまいにして
あいまいなものをぼかしていた
気がついた頃に後悔していた、それでも前に進んでいた
前に進まなくちゃいけなかった
前に進まないと動けなくなってしまうから

あいまいすぎる私の気持ち
あいまいなままじゃ嫌だった
ずっと前から気付かないふり
あの頃に気付かなかった
ほんの小さな確かな気持ち
いつまでも続く限り
いつまでも忘れられない
儚いなんて言葉で、片付けないで
もう戻らない――

あいまいな時間が去っていく
ずっとずっと彼方まで
確かめられないまま不確かに
季節だけが巡っていく

あのときの柔らかな時間の中で
確かだった記憶が残る
確実なものなんて何もなかったあの頃に
一言だけ置いてきた言葉を探した
大切なものも全てあいまいにして
あいまいなものをぼかしていた
気がついた頃に後悔していた、それでも前に進んでいた
前に進まなくちゃいけなかった
前に進まないと動けなくなってしまうから

あいまいな時が迫ってくる
ずっとずうっと忘れたふりした
遠い遠い過去のことだと
ずっとずううっと気づいていた
近い将来じゃない未来のことだって

だから、ね?
また二人一緒にあの場所に戻ってみよう
二人ならきっと、立ち止まらないから
あいまいな時間を確かにしていこうよ
歩いていける時間がある限り
あいまいなままでどこまでも

2008年5月24日土曜日

彼方の約束

今日という日がまた過ぎ去っていく
ずっと未来にあったはずの今日が昨日となり一昨日となって飛び立っていく
鮮明な記憶は混沌として今日を受け入れる
『また会おう』なんて気楽な約束はすぐに風化していってしまう

あの時の僕と君にはもう会えない
あの時みたいな素直な気持ちはあの日と一緒にすでに飛び立ったあとだから
『僕は後悔はしていないよ』
そんな簡単な嘘が代わりにやってきた

あの日の約束は未来の約束
でもあの日と一緒に風化していく約束
あの日に置き忘れた約束
あの日に置いてきた約束

さよなら

さよなら、今までの自分
さよなら、私が知る自分
さよなら、周りの全ての己

そしてこんにちは、新しい私
今まで知らなかった私の私
こんにちは、これからよろしくね
でも……、あなたは誰?
新しい私は誰のこと?
私は私、今までの私
私は私、これからの私
知らない私が私を塗りつぶす
新しい私として、私を塗りつぶす

違い穿つ

違いし時間は不安を煽る
穿った時間は平穏を撒く
安らぎはその向こう側

違い穿ち、穿い違い
違つ穿う、穿つ違つ
違い穿つ、穿い違つ

変わるものはそれだけ
変わらないものもそれだけ

たがいちがいに、変わりゆく
変わらぬものも、たがいちがい

穿ったものはそのさきに、違ったものを見つけ出す
変わらぬものは変わるもの
変わるものは変わらぬもの

穿ったものは違ったもの
違ったものは穿ったもの

戸惑い

いつの間にか追うようになった、戸惑うようなあなたの背中。
くだらない話題にもずっと耳を傾けてくれるきみ。
気付くといつも何かに戸惑うように、そっと肩を揺らせていた。

それでも顔には決してそんなの出さない。
そんな君の背中が痛々しくて、切なくてどうしようもなかった。

気付いていたかな?
僕と話しているときのきみよりも、独りでいる君のほうがずっと楽しそうに見えていたって。

僕はそんなきみに少しずつ惹かれていった。
少しずつ君の姿を追うようになっていった。
少しずつきみと過ごす時間が増えていった。
僕自信、君に惹かれているって気付いたのはいつのことだったろう……。
なんできみに惹かれたのか、なんで君を追ったのか、今でもまるでわからない。
もうそんな君に会うことはないだろう。
あの頃からすでに永い時間が流れ、気が付いたときにはもう大人になっていた。

もう戻れないとわかっているのに、きみの影を追っていた。
ずっとずっと、ずっと……。
影はいつの間にか夕日を浴びた時のきみのように大きくなっていた。
そして僕から離れていった。
君の影を追って、僕の影も離れていった。
きみの住む僕の知らない町へ……。
ううん、そうじゃない。
僕はこれから追いかけるよ。
どっかに置いてきた僕たちの思い出と一緒に。
影じゃなくて、君自身を。
遅れているぶん走って走って、走って行くよ。
だから……、どうか待っていて欲しい。
どれだけの時間がかかるかはわからないけど、必ず追い付くさ。
とまどいは僕の中にあったから。

虫の声

幼い頃は聞いていた
背が小さかったからか、純真だったからか
今はもう聞こえてこない
あの日聞いた虫の声はもうほとんど聞こえない

いつの間にか変わっていたものは僕自身
なにも変わらないって信じていたあの頃

また原っぱで声を聴いてみよう
また河原で聴いてみよう
また山で聴いてみよう
聞こえなくなった声を聴いてみよう
ほら目の前に幼い頃の自分がいる

夏の頃

気づいた頃には緑が深い
夏の日差しがやってきた
春の花は緑でしげり
次から次へと生え茂る
夏の木々は深い色
光に負けない濃厚色

つくつくぼうしが鳴いている
遠いお山で鳴いている
近くの木々でも蝉時雨
ミンミンジワジワ鳴いている
そんなに鳴いてどうしたの
ミンミンジワジワ鳴いている

つくつくぼうしはお山の向こう
遠いお山を埋め尽くす
近くを埋めるは蝉時雨
遠い山からやってきた
蝉ばかりの夏のそら
山から森から聞き渡る

つくつくぼうしはお山の上へ
遠いお山に昇ってく
蝉時雨は川下り
ながい川を渡り行く
蝉ばかりの夏のそら
気付く時には鈴虫の声

つきみひめ

空にはぽっかりお月様。
月の下には女の子。
ぽっかり上がった月を見て、月光<<つきびかり>>の下で踊っている。
クルクルクルっと三回転。
チョンと横はね、前後ろ。
手拍子二回、足踏み二回。
回って回って回ったら、チョンチョンチョンチョン横はね前はね後ろはね。
パンパントントン手拍子足踏み。
前見て上見て下見てトン。
トントンパンパントンパントン。
朝日が昇る、月沈む。
沈んだ夕日が昇りだす。
月の時間ももう終わり。
夜の時間はまた今夜。
西の空に消えていった月のしたの踊りても。
月の踊りてもまた今夜。
それまで別の地で踊っている。
月の袂はまた今夜。